古里の山を去る人

今日は、
福島原発から3?以内の地域に住まれていた方々の一部が、
一時帰宅されたようだ。
目を覆いたくなるような惨状を見ながら、
ある新聞の読者文芸欄に掲載された詩を思い出した。


古里の山を去る人

      福島県 佐藤邦雄


夕映えの空の中に浮かぶ

なだらかな稜線の影を

じっと見つめる人がいる

厳しい風雪を刻んで

穏やかに流れる山ひだに

思いを寄せる人がいる

季節を彩る色合いに

さりげなく見せる輝きを

思い浮かべる人がいる

こころ温かな人々を育んだ

いつも寛容である山懐に

甘えてみたい人がいる



「ここに住んでいきた