1975年@雪崩の後

一夜明けた第二キャンプの惨状はとても言葉では言いつくせぬものでしたね。私は身体中が痛くてまったく動けず、他の隊員も、指を切ったり、ショックで顔面蒼白、話しも、しどろもどろ 、寝袋から、起きあがれずでした。

巨大な氷塊がテントまでおしよせ、酸素や装備、食料がその下に埋まってしまいました。報道のかた達のテントも潰れましたが、とにかく全員無事だったのです。

朝一番のトランシーバーでベースキャンプの隊長に報告したのは報道の人でした。第二キャンプは大雪崩に襲われ大変な事態になっている。ただし誰も死んではいない。氷のブロックで額を切ったシェルパがいる、高山病が悪