小学校で虫取り大会のあった頃

私は昭和25年の4月に入学して31年の3月に小学校を卒業した。当時は学校の周りは水田で、半分以上が農家の子供だったろう。

 4年生になると年に二回の虫取り大会があった。
一回目は6月の田植え前に、稲の苗床に出かけてズイ虫とりをした。ズイ虫はニカメイチュウのことでこの幼虫が稲の髄に食い込んで稲穂を枯らしてしまう。午後から子供たちがあちこちの苗場に行って、この虫を取ってその数を競うというものである。蛾とタマゴ(1)と幼虫の3種類があって、見つけるのが難しい順に配点が多くてその合計でクラスの3位までにノートや鉛筆が配られた。
 秋の稲刈りが終わった頃にはイナ