葵祭御所から上賀茂神社まで

 賀茂に住む誇りを門に懸葵  塩崎高明

 賀茂まつり覚めし童のひとりごと  田中裕明 櫻姫譚

 賀茂祭すみし磧に居ちらばり  岡田抜山

 賀茂祭近く馬留打たれをり  坂崎茂る子

 賀茂祭見て弁護士に会ひにゆく  井上弘美「あをぞら」

 牛の眼のかくるゝばかり懸葵  粟津松彩子「ホ誌雑詠選集」

 桐の花葵祭はあすとかや 河東碧梧桐

 懸葵しなびて戻る舎人かな  比叡 野村泊月

 一と日のびし葵祭や若葉雨  高橋淡路女

 大学も葵祭のきのふけふ  田中 裕明

 馬拗ねて滞りたる賀茂祭  上井正司

 白丁(よぼろ)らの顔の小さき賀茂祭