連載:季節の花 4

雑草という草花は存在しない

猫の額と思うほどの庭の草取りをした。
10月としては異常なほどの暑さだったので汗をかいた。32度もあればそれも納得できる。
草取りをする本人はへばりぎみなのに、この雑草たちは背すじをシャキッと伸ばして立っている。

雑草を辞書でひくと「人間の意図にかかわらず自然に繁殖する植物」とある。
どうやら雑草という名の草花はないらしい。正式な名称がそれぞれに付いているが、人はそれらをまとめて雑草と呼んでいる。雑草と呼ぶものと花と呼ぶものの境界線は微妙で、ただ単に見かけだけでそう呼んで区別しているのだろうとも思ってしまう。

雑草にも命がある。
この世に生まれてきて