荒木源 の 御苑に近き学び舎に―京都・番組小学校の誕生

★3.5 戊辰戦争真っただ中に京の町で小学校設立の運動が起り、明治元年~2年の間に京都府下全域64の小学校が設立された。日本の義務教育の始めである。

治安回復や浮浪者の御救い小屋設設置などの自治機能の復活が急務の時にである。一部の町人や有力な私塾経営者が福沢諭吉の「西洋事情」を読んで小学校の必要性を訴えたことに始まる。

人口流出は続き40万から30万人に減った京都、東京遷都の話ももれ聞こえ出した時、木戸準一郎(孝允)に呼び出された長州藩士・槇村半九郎35歳は、京都府権大参事(知事、大参事に次ぐナンバー3)に就くと、産業振興の一環としてこの話に乗った。