何故そうなったかはわからない。
手足がつるつる滑って真っ逆さま。
気が付けば、周りは、薄い黄緑の膜に覆われて
いろんな形の堅い透明な物体に
押しつぶされそうになっている。
頭上も足の下も左右どちらをみても、
同じ木の葉を映す
複眼の世界
ハチはやってきた敵バチから、蛹を守るため
戦っていたはずだった
必死の応戦にもかかわらず、多勢に無勢、
隣の木に皆で避難、、というときに
眼がくらんだか。
でも、一体ここはどこなんだ。
空気はわずかにある、
ただ手足を突っ張っても壁は緩やかにたわむが
開きもしない。光は届いているのに。
気のせいか?
女は先ほどから