連載:心の歌

昨日の夢

試験を終えた学生服たちが一斉に歩き出した

まるで光に向かって歩くように胸を張って

私も皆と同じように明日に向かって歩いていた

懐かしいセーラー服姿の少女が駆け寄ってきた

誰だかわからないがとても懐かしい人だった

さも当たり前の様に私に並ぶと腕を取った

二人とも前を向いたままだったが

お互いがしっかりと手をつなぎ合っていた

不意に君が「こうしてると鬱陶しいかな」と聞いた

「そんなことないよ」そう言うと初めて君は私を見た

「この素敵な人は私の恋人だ」そう叫びたい気分だよ

私がそう言うと君は照れたようにうつむいた

そして嬉しそうに私の腕