連載:妄想爺やの春夏秋冬4

終電車過ぎしレールをゆく秋や サラリーマン時代の夜

最終電車の発車時刻が早くなって久しい

どうやら、電鉄会社の従業員の労働環境改善の為にということがひとつの理由のようだ

僕はサラリーマン時代、よく飲み会が遅くなり、最終電車に乗り遅れることがあった

そうなると、よく重宝したのは、街なかのカプセルホテルだ

できるだけ睡眠時間を多く取りたいと、一時間以上かかる帰宅時間を短縮するためだ

翌朝、カプセルホテルの狭いトンネルの中で目覚めて、あたかも昨夜、帰宅したような顔をして、昨日と同じスーツで出勤するおバカな僕であった

拙句一句

終電車
過ぎしレールを
ゆく秋や

最終電車に乗り遅れ、ホームに立ち尽く