突然の転勤辞令の交付だった。

入社1年４カ月　これから本腰で研究室で研究をすると燃えていた私に転勤辞令が下りた。
その原因は、最初に転勤予定者が、夜間大学に通学するという理由が人事課で受け入れられ、同輩の私に白羽の矢が当たったという。

しかして　それが人生の大きな転機になった。
その工場は業態が変わり、生産現場も解体され、働いていた従業員もすべて解雇や異動の憂き目に遭遇した。
その時の転勤がなければ、定年までの40年間平穏な人生は過ごせなかったと思う。

当時から　斜陽とされた繊維産業と家電事業。日本経済の変革と共に、産業界は大きく変貌を遂げてきた。