【映画】百花

【映画】百花


 忘れていく者と、忘れられずにいる者。

 息子を捨てた母親と、母親に捨てられた息子。

 忘れていく者が覚えている事と、忘れられずにいる者が忘れてしまっていた事。


 冒頭から、映像による演出で、病の進んでいく母親が描かれていく。
 現実と過去と夢想と…。
 混沌とした世界が、静かに流れていく。
 現実の中に、過去がフラッシュバックのように入り込む。

 ぎこちない親子関係の理由が少しずつ見えてきて、いつしか息子の心情に沿って物語を追いかけ始めていた。
 自分だったら、この母親を抱えてどうするだろう?