連載:孫日記

「忘れたくなくて」

お風呂から上がり、子供部屋の窓から外を見た。

「オリオン座流星群、見えないかなあ」
「バアバ、それなぁに?」

「流れ星が沢山見えるんだよ」
「流れ星?!ウルトラマンになれますように」

孫は空を見上げながら言った。直ぐには分からなかった。

「そうだね。流れ星には願い事するんだよね。バアバは新幹線に全部乗れますように。あっ、日本中の鉄道に全部乗れますように」
「いいなあ、バアバ」

「○○クン、一緒に行こっかぁ」
「ウン!」

都会の夜空に流れ星は見えないが、もっと嬉しい贈り物を孫にもらった。こんなセリフは二度と聞けな