窓からの枯野の景色夕泥む



 一川のひかり貫く大枯野 岡淑子

 寶船枯野を漕いでゐるところ 佐藤喜孝

 薄曇り枯野の色彩際立って  アロマ

 枯野ゆく自ら風となりてゆく 菅原健一

 茶房より枯野見しのみ一時間 泉田秋硯

 コーヒーがうまし枯野をとほく来て 長沼紫紅

 冬枯野線路は鈍き日をはじく 栢森定男

 晩年の吾が影を率て枯野道  橘澄男

 ゆきゆきて日の当りをる枯野かな  水田清子

 時折日の差す枯野颯爽と  アロマ

 草千里枯野千里となりて阿蘇 高橋照子

 枯野ゆく日暮の風に背を押され 谷村祐治