ニャンコとの日日

今年春先、二匹いたニャンコの内、先輩が18年の生涯を閉じた。
一人残った15歳の後輩ニャンコが何処となく淋しげに見えた。
まん丸顔のキジトラ君。
所在なさげに虚空を見つめている。
ノンビリおっとりな性格だけど、甘えっぷりが半端なくなってきた。
「そろそろ新しいニャンコ連れてきたろか」
「面倒みるのは私でアンタは何にもせえへんやないか」
奥さんの辛辣なお言葉が身に沁みる。
「せやけど、ハジメが寂しそうやないか」
そんなやり取りが半年ほど続いたある日。
「保護猫の譲渡会があるんやて」
奥さんが言い出した。
「行ってみるか」
「そうや