連載:宗教3

怒りに関する断章

こころに巻き起こる怒りというものに、これだけ悩まされ苦しむことが多いのに、振り返ると怒りの本質というものを理解していないことに気が付く。
怒りという感情はだれでも知っているが、なぜ沸いたのかなぜ沸かないときがあるのか理解されていない。

仏陀の没後400年くらいのあいだに、仏陀の教えをわかりやすい言葉で記録した経典に『ダンマパダ』があり、日本では法句経と称される。この第3句にこんな言葉が残されている。

「彼、われをののしり
彼。われをうちたり
彼、われをうちまかし
彼、われをうばえり」
かくのごとく こころ執するひとに
うらみはつい