クレンペラーの指揮で聴くチャイコフスキー の交響曲第5番

2021年12月以来の鑑賞。
第1楽章の冒頭でクラリネットが奏でるテーマは、以後、時には形を変えて何度となく姿を現す。クレンペラーは例によって木管を十分に鳴らし、深い味わいをもたらす。主部はアレグロ。仄暗さを帯びながら音楽は進む。その中に豊潤な抒情が織り込まれ、かつ冒頭のテーマが絡み合い、魅力的な音楽になっている。
第2楽章は弦に導かれるようにして、ホルンが印象的な主旋律を奏でる。この旋律を聴くにつけ、チャイコフスキーが秀でたメロディー・メーカーであったことが確認できる。クライマックスに向けて徐々に高揚していくが、クレンペラーは一音たりとも忽せにすること