大悲願寺の萩と彼岸花(コミュ・オフ会)

曼珠沙華

われにつきゐしサタン離れぬ曼殊沙華 杉田久女

彼岸花は全国に咲く花でそれぞれの地で名を持つ。1000の異名を持つと言われるが或る人が調べたところ450ほどの名を持っていた。中国原産で日本に渡り早くに帰化植物になっている。万葉集に「壱師の花」と一首だけだが柿本人麻呂が詠んでおり、これが彼岸花だという説が有力だそうだ。牧野富太郎もその説を支持している。
異名には幽霊花、死人花、剃刀花、蛇花或いは捨て子花など忌み花のようで幼いころ母の実家に行くと祖母などが「折っちゃいかん。お前の背にお化けが付くから」と言われたことを思い出す。久女もまた彼岸花に魔性を感じたのかもしれない。
一方で曼殊沙華というとめでたい花に。法華経によるとお釈迦様が法華経を説いていると天上から4つの花が降り注いだ。その一つが曼殊沙華。サンスクリット語でマンジュシャカと読む。「赤い花」という意味だそうだ。
そういえば山口百恵の「曼珠沙華」という唄があった。マンジーシャカと読ませている。「マンジューシャカ 恋する女は/マンジューシャカ 罪作り/白い花さえ真紅に染める」 久女の句と通底するような気がする。

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