倭人伝に惟う
邪馬台国は九州には存在しないことを8年前の趣味人日記で述べたが、この考えに賛同できない方が大変多いと見えて、世間では邪馬台国所在地問題は未解決であるとする風潮がマスコミにもある。 そもそも邪馬台国が注目され始めたのは、江戸時代に外圧が強まり、国家というものが強く意識され、日本の国が依って来った淵源を考えることから国学が勃興し、 倭のことが比較的詳細に書かれているいわゆる魏志倭人伝が研究対象と…
邪馬台国は九州には存在しないことを8年前の趣味人日記で述べたが、この考えに賛同できない方が大変多いと見えて、世間では邪馬台国所在地問題は未解決であるとする風潮がマスコミにもある。 そもそも邪馬台国が注目され始めたのは、江戸時代に外圧が強まり、国家というものが強く意識され、日本の国が依って来った淵源を考えることから国学が勃興し、 倭のことが比較的詳細に書かれているいわゆる魏志倭人伝が研究対象と…
魏志倭人伝には、九州の事が詳しく記述してある。特に里数は、現在にも残る有数の手がかり、調べてみると、大陸との距離も算出できるヒントが残っていた。歴史家のほとんどが、一寸千里法も真髄に気がついていない。 ここでは、少しずつ 里数は何なのかを説いていく。
やっと具体的な年代としての記述は、やはり中国資料から解かざるを得ません。 古事記日本書紀の神代からは初代の天皇ははたして、何年ごろ所在したのかは解りようが無いのです。 倭または倭人としての記述の、最も古いものは中国最古の書と云われている 山海経 に紀元前300年から500年頃と思しき頃の記述として 「蓋国は鋸燕の南にあり それは倭の北であり 倭は燕に属している」 とありますので蓋国は北朝鮮、…
7、「伊耶那岐神(狗奴国王、倭王組織)」、「妹伊耶那美神(台与、奴佳鞮)」 (※;「伊耶那岐命、伊邪那美命」の両方では、ページ数が多くなりますので分割しました。伊邪那美命です) 私の勉強は、私が勝手に作った「音形読み」で成り立っています。「音形読み」とは、五十音全音に言葉による形状を創り、「地形、自然発生言語、神名」等の一音一音に「音形」を照らし合わせてそれぞれの成り立ち内容を理解する方法で…
ここで、ちょっと一息。羽衣伝説は世界各地にあるらしい。日本では、『近江国風土記』記載の余呉湖にまつわる伝説、『丹後国風土記』にある京丹後市峰山町を舞台とする伝説が有名だ。 『丹後国風土記』では、悲劇に遭った豊宇加能売(とようかのめ)が男神天照大神、天照大御神、火瓊瓊杵、丹後海部家に寄り添ってきた豊受姫とどう関係するのか定かでないが、この機会に「羽衣伝説」を通して、当時の天女の心意気と共に、俗人…
①牛頭天王が磐座に降り立ったとする伝承は、各地に存在する。豊受大神と天照大神を祀る籠神社奥宮の磐座二座も、熊野権現が天降る神倉神社のゴトビキ岩・水徳の神が降り立つ比叡山系牛尾山山頂の金大巌(こがねのおおいわ)も、牛頭天王が姿を変えて降臨した磐座と見てよかろう。 〔籠神社奥宮の眞名井(まない)神社〕(宮津市)、社殿背後の左右に磐座二座が鎮座して、右側の磐座主座(本宮)祭神は豊受大神、左の磐座西座…
①我が国では縄文時代の昔から、五帝期の神仙思想、天竺風の習慣・来世観・石の文化、さらに初期仏教に似た教義が根づいていた。このことから、「東の海上に神仙郷がある」との噂が何度も春秋期の中国に伝わり、斉の威王・宣王、燕の昭王らが東海上に探検隊を送るのであり、儒教を弾圧した秦始皇帝も神仙思想に心を開き、不死不老の仙薬を手にしたいと徐福を遣わしたのだ。 邪馬台国時代、この種の神仙観が鏡の模様となって現れ…
①湖西線高島駅から南に降ると、比良・志賀・蓬莱・和邇、比叡山坂本・大津京など古代にちなむ駅名が連なっている。比良は海神族と思しき比良明神、志賀は志賀海神社や安曇氏、蓬莱は海神・大山祇神との因縁が深い。和邇は海神配下の鰐族末裔だ。志賀の真西には、蓬莱山がそびえており、比叡山坂本は日吉大社の鎮座地、大津京は天智天皇が近江大津宮を開いた処である。 振り返ると、富士山・熊野山・熱田神宮の地がかつて蓬莱山…
〔ミトラ教〕、牛の角を生やした太陽神の女神ミトラは、シュメル神話に出てくるメソポタミア生まれで雄牛の角をもつ王冠をかぶった太陽神アン(天の神)の流れを汲むらしい。 ☆前三○○○年代、太陽神アンは救世主、契約を司る神として、メソポタミアやオリエントで崇められ、後にヘブライ社会、ギリシャ・インド・キリスト圏に姿形を変えて広まった。 ☆皇室の紋章である十六八重菊花紋は、シュメルの太陽神アンの象徴、ある…
①西アジアでは、イラン高原でゾロアスター教の興る以前から、ミトラ多神教など様々な神々がイラン系アーリアの間で信仰されていた。世界最古のミトラ教は、ゾロアスター教、ギリシャ教、仏教、キリスト教、中央アジアで救済を説いた弥勒信仰などに多大な影響を及ぼしてきた。 その一つ、頭に角を生やした太陽(光明)神の女神ミトラ(ミスラ)を祀る密儀宗教は、人気が高く、アケメネス朝ペルシャ帝国(前五五〇~前三三〇年)…
民族や集団の移動がおこるのは、気候の変化とかんがえられます。 気温が下がると北方民族の南下が起こり種々の民族摩擦を生じ、それが 中国や朝鮮半島の動乱の原因となり古代の種族移動や渡来を生じ せしめました。 それは同時に水稲耕作の技術や金属器の伝来を伴い、 この事は確実な変化の基本でありますが、その移動集団の政治的能力により 作用したのがのが、国と民族の形成能力であったといのが学術的認識 であると規…