多田容子 の やみとり屋

★3.3 向島の外れの隅ノ森に鳥専門の料理宿「やみとり屋」はある。看板には「心の闇が取れる店」と。

時代は綱吉の「生類憐れみの令」の真っ只中、取り締まりの目をくぐった食通の無頼の徒が集まってくる。だが、宿へ入る者は近くの浄寒寺で踏み絵の試練が待ち構える。現役の岡っ引きの立会いの下、犬の絵を踏まなくてはならない。どこぞの犬目付が仕組んだ浪人狩りであるかのような。

宿を運営するのは春之助と万七、ほかに主要な仲間が5人。宿に出入りする浪人者の数が増えると幕府の目付が動き出す。

物語はやみとり屋とそれを取り締まる側との攻防戦に、仇討ち騒動をからめ、更にはこ