★3.3 天保年間の信濃国が舞台の伝奇風娯楽作。
国家老から松茸と山茗荷の横流し探索を命じられた嵐と平助は、寺から逃げ出した秀全とともに御留山の秘密に巻き込まれてしまう。
御留山は藩主直轄の山で、将軍に献上する氷柱花や珍しい花を作るところ。そこは御山奉行らのある企みの場所でもあった。
蝮をあやつる山女・まつ、村を逃散し山に住む山上がり衆なども登場し怪しげな挙動が・・。作者の得意とする薬草や古書の蘊蓄が各所に登場して楽しい。
だが、物語としてはちょっと物足りない。嵐や平助の人的描写が乏しいためか。秀全の読心術も安易かな。
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