解夏の昼白日の日に晒されて



 みそ汁のみつばをきざむ解夏の卓  角川春樹

 大盥二つ干しある解夏の庫裡  小田尚輝

 深山へと法螺の音渡る解夏の朝  大竹節二

 饅頭の左ひねりに解夏の卓  角川照子

 解夏の夜や草ひばり鳴く枕上  長谷川かな女 雨 月

 解夏の寺筧の音のするばかり  里村麻葉

 雲晴れて解夏の鶯きこえけり  河東碧梧桐

 塩きゝしお香もの摂り解夏の膳  竹中草亭

 墨の香のゆらりと解夏の机より  原通

 解夏の朝仄かに違う草の色  アロマ

 みちのくの雲に触れゆく解夏の僧  黒田杏子 花下草上

 白萩に解夏の草鞋を結ひにけり  橋本鶏二