倫理と知識を求めて、我々は日本に行くことにした。

 1981年、マレーシアのマハティール首相(当時)が宗主国イギリスではなく、急発展を遂げた日本や韓国に学ぶべきだと提言し、はじめたのが東方政策(ルックイースト・ポリシー)だ。やがてマレーシアは日本の強力な支援を受け、工業国へと変貌をとげた。
 それにしても、マレー作戦とその後の統治でおおきな危害を加えた日本、「東南アジアを独立させてやった」と嘯く日本人も多いのに、それを責めもせずに学ぶという決断はどうして生まれたのだろう。
 マハティール氏についての研究論文を読むと、根底にあったのは世界中でムスリムの人たちが不当に扱われているという思いだという。資源のあ