連載:読書日記

おーずせんせい 児島秀樹著

暑い中、一服の清涼剤のような本でした。
これは、小津安二郎の青年時代、ふる里松阪の田舎町で代用教員として働いた一年余りをドキュメンタリー風の小説としてまとめたものです。作者は放送作家。脚本家と紹介されている。

内容は「二十四の瞳」の小津バージョンかな。舞台は伊勢街道に面した飯高町。小津の実家は伊勢商人の家であったが神戸商高や名古屋商高への進学を失敗した松阪の山の中櫛田川沿いの宮前尋常小学校の代用教員として赴任した。

芝居見学を許可されない子どもたちと一緒に「勧進帳」をつくって芝居をするという楽しいエピソードやたばこ屋の小町娘との初恋の話し、