将軍綱吉の御殿医
乾緑郎の「見返り検校」を読了した。著者は小説家、劇作家であるが、鍼灸専門学校を卒業しており、鍼灸師として働いた経歴を持っている。小説家としては朝日時代小説大賞、「このミステリーがすごい!」大賞等を受賞しており、テリトリーの広い作家である。本書は、「鍼聖」と称えられる杉山検校(杉山和一)が、実は別人が成りすました人物であったとの設定の、時代ノワールである。 物語は元禄六年(1693年)、とある…
乾緑郎の「見返り検校」を読了した。著者は小説家、劇作家であるが、鍼灸専門学校を卒業しており、鍼灸師として働いた経歴を持っている。小説家としては朝日時代小説大賞、「このミステリーがすごい!」大賞等を受賞しており、テリトリーの広い作家である。本書は、「鍼聖」と称えられる杉山検校(杉山和一)が、実は別人が成りすました人物であったとの設定の、時代ノワールである。 物語は元禄六年(1693年)、とある…
乾緑郎の「完全なる首長竜の日」を読了した。本書は、宝島社主催の『『このミステリーがすごい!』大賞』の第9回大賞受賞作である。著者は、鍼灸師として働きながら、劇作家や俳優活動を行っていた経歴を有するとのことである。 本書の主人公は、三十代後半の少女漫画家和淳美である。人気作家であった淳美は、15年続いた連載が突然打ち切られことになり、どことなく落ち着かない日々を送っている。淳美には、自殺未遂によ…
乾緑郎の「忍び外伝」を読了した。著者の作品を読むのは、初めてである。図書館で借りるまで知らなかったが、著者は、鍼灸師兼劇作家で、小説デビュー作の本書で、朝日時代小説大賞を受賞しているとのことである。本書の内容は、伊賀の上忍・百地丹波によって育てられた石川文吾衛門(後の五右衛門?)の生い立ち、天正伊賀の乱での活躍、幻術師果心居士(実は観阿弥)との闘い等を描いたものである。 時代は本能寺の変の直後…