◎「アナと雪の女王２」Frozen II　2019年　クリス・バック、ジェニファー・リー　アメリカ映画　ディズニー 2019.11.22公開 世界中で社会現象を巻き起こし、日本でも歴代3位となる興行収入255億円を記録した大ヒットディズニーアニメ「アナと雪の女王」の続編です。 簡単に言えば、アナと雪の女王（エルサ）の新しい冒険のおはなしですが、観た感想としては一作目ほどのインパクトはなかっ…

◎「娘は戦場で生まれた」For Sama　2019年　ワアド・アルカティーブ、エドワード・ワッツ　イギリス・シリア合作　トランスフォーマー 2020.2.29公開 第92回アカデミー賞ドキュメンタリー賞にノミネートされた、強烈なドキュメンタリー作品。 邦題にあるように、ある女性が「戦場」で妊娠し出産、その娘を「主人公」に見立てた実写映像を編集した作品です。 「戦場」とはシリアのアレッポ。 …

◎「ハリエット」Harriet　2019年　ケイシー・レモンズ　アメリカ映画　パルコ 2020.6.5公開 本作品は実話で当然モデルは実在の人物。 それよりも、本作のハリエット・タブマンという人は、2016年に、米国で20ドル札のデザインに、アフリカ系アメリカ人として初めて採用された女性です。 この新紙幣発行はトランプ政権で棚上げにされていたようですが、本年1月、バイデン政権により、20ド…

◎「ＷＡＲ　ウォー！！」War　2019年　シッダールド・アーナンド　インド映画　カルチュア・パブリッシャーズ 2020.7.17公開 二転、三転どころか五転、六転のボリウッド超アクション映画。 まず、誰が敵か味方かわからないし、結果、誰が悪で誰が善か、最後まで判らないというとんでもない展開。 しかも、全てのシーンで伏線が敷かれているという、非常に完成された作品でした。 二時間半を全く飽きさ…

◎「ジョン・Ｆ・ドノヴァンの死と生」The Death and Life of John F. Donovan　2018年　グザヴィエ・ドラン　カナダ・イギリス合作　ファントム・フィルム、松竹 2020.3.13公開 グザヴィエ・ドランという人は天才の部類かと思います。 俳優でありながら19歳の時「マイ・マザー」（2009）で監督デビュー。 私が視聴したものだけでも「わたしはロランス」（20…

◎「象は静かに座っている」大象席地而坐 An Elephant Sitting Still　2018年　胡波（フー・ボー）　中国映画 2019.11.2公開 評判の映画だったが見過ごしており、ようやくＤＶＤで視聴できました。 234分の長尺フィルムですが飽きなかった。 主な登場人物は4人でいいと思います。 高校生のブー（ポン・ユーチャン）、街で不良グループを率いるチェン（チャン・ユー）、ブ…

◎「ホットギミック　ガールミーツボーイ」　2019年　山戸結希　日本映画　東映 2019.6.28公開 原作は「ホットギミック」という相原実貴原作のコミックらしく、かなりの長編のようです。 「才人」山戸結希監督は原作を大幅にカット、登場人物4人に絞った「今風の若者」の物語に徹した作品に仕上げています。 彼女の非凡なところは、カメラワークと台詞にこだわり、独特の世界を描き出しているところ。 特…

◎「風の電話」　2020年　諏訪敦彦　日本映画　ブロードメディア・スタジオ 2020.1.24公開 タイトルの「風の電話」とは、岩手県上閉伊郡大槌町の海（三陸海岸）を見下ろす丘にある「ベルガーディア鯨山」内に置かれた、実在する私設電話ボックス。 電話ボックス内には、電話線が繋がっていないダイヤル式の黒電話である「風の電話」とノートが1冊置かれており、来訪者は電話で亡き人に思いを伝えたり、ノー…

◎「しあわせの絵の具　愛を描く人　モード・ルイス」Maudie　2016年　アシュリング・ウォルシュ　カナダ・アイルランド合作　松竹 2018.3.3公開　 本作はモデルがある、というか実話のようです。 ＜モード・ルイス（Maud Lewis、1903年3月7日－1970年7月30日）はカナダのフォークアートの画家である。 田舎の風景、動物、草花をモチーフに、明るい色彩とシンプルなタッチで温…

◎「ブラック・クランズマン」BlacKkKlansman　2018年　スパイク・リー　アメリカ映画　パルコ 2019.3.22公開 近年、主にハリウッドでは実録ものが大流行、名匠クリント・イーストウッドでさえ、「実際にあったこと」をベースにした作品が多くなってきています。 「事実は小説より奇なり」路線なのだろうが、「事実」は曲げられませんので、決着や「その後」を変えるわけにはいきません。 い…

◎「ナチュラルウーマン」Una Mujer Fantastica　2017年　セバスティアン・レリオ　チリ・アメリカ・ドイツ・スペイン合作　アルバトロス・フィルム 2018.2.24公開 第90回アカデミー賞外国語映画賞受賞作品で、本作はチリ代表作として史上初めての受賞作品。 トランスジェンダーの物語で、ネットの簡単なあらすじは以下の通り。 ＜ウェイトレスをしながらナイトクラブのシンガーと…

◎「散り椿」　2018年　木村大作　日本映画　東宝 2018.9.28公開 原作・葉室燐、脚本・小泉堯史、監督・名カメラマンの木村大作ということで、面白くない作品のはずがないと思いますが・・・ 面白かったし、映像は見事でしたが、細かいところが気になった作品でした。 若干ストーリーがややこしいのです、そのさわりをネットから持ってきますと・・・ ＜享保15年。 藩の不正を訴え出たために藩を追…

◎「タクシー運転手　約束は海を超えて」A Taxi Driver　2017年　チャン・フン　韓国映画　クロックワークス 2018.4.12公開 題名からは、中身をなかなか想定できない映画と思います。 物語も最初はややコメディ調で始まりますが、そのうち緊迫した状況が描かれサスペンスタッチになり、後半部分は現実に起こった事件の惨状を余すところなく映し出した骨太作品です。 時は1980年の韓国…

◎「愛しのアイリーン」　2018年　吉田恵輔　日本映画　スターサンズ 2018.9.14公開 最初は喜劇と思ったが、意外と衝撃的なシリアスな作品でした。 まず、前半は一種のコミカル・ドラマかと思いきや、そのうち純愛ものかとの展開になる。 ところが、ある事件から主人公に大きな心理的変化が訪れ、以後、複雑な愛憎シーンが続きます。 その背景のひとつは日本の過疎地域の事情であるわけですが、通常は…

◎「パンク侍、斬られて候」　2018年　石井岳龍　日本映画　東映 2018.6.30公開 時代考証はしっかりしていながら、ストーリーは荒唐無稽という「怪作」。 原作者はロックバンド「ＩＮＵ」のボーカリストだった町田康。 町田は2000年に芥川賞を受賞しており、熱烈な町田ファンが存在するようです。 原作は同名で2004年に上梓されている異色時代小説。 レヴューを見ると「原作を読んでから映画を…

◎「ラブレス」Nelyubov　2017年　アンドレイ・ズビャギンツェフ　ロシア・フランス・ドイツ・ベルギー合作　クロックワークス、アルバトロス・フィルム、STAR CHANNEL MOVIES 2018.4.7公開 原題のNelyubovはロシア語で、邦題の「ラブレス」とはLoveLessなのだろうと思います。 その意味は①愛のない；愛情を感じない；冷たい，つれない、②愛されない；かわいげ…

◎「サスペリア」Suspiria　2018年　ルカ・グァダニーノ　イタリア・アメリカ合作　ギャガ 2019.1.25公開 同名の作品が1977年にあり、歴史的傑作ホラーとされています。 このあたりは何とも言いようがありませんが、印象に残った作品であることは事実。 「続」でもないし「Ｐａｒｔ○○」でもなく、堂々と同名上映ということが珍しく、視聴した次第。 舞台はベルリンで前作と同じ。 バレ…

◎「モリのいる場所」　2018年　沖田修一　日本映画　日活 2018.5.19公開 私の映画鑑賞をする場合の決め事は、第一に事前に選評を読まないというのがあります。 先入観を避けるのが目的ですが、もともと知識が貧困であるので、観終わった後、自分で恥ずかしくなることがある。 この映画がその典型で、最初はフィクションと思っていた。 登場人物とか、それらを取り巻く環境、さらに人間関係などの部分は…

◎「エクス・マキナ」Ex Machina　2015年　アレックス・ガーランド　イギリス映画　パルコ 2016.6.11公開 気になっていた作品です。 DVD視聴が中心になったので、探して観てみました。 第88回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞しているようです。 パッケージには、ジャンルはソフトホラー＆サスペンスとあります。 書く文章の順番が逆かもしれません・・・ 幾つかのレヴューのなかに…

「メリー・ポピンズ　リターンズ」Mary Poppins Returns　2018年　ロブ・マーシャル　アメリカ映画　ディズニー 2019.2.1公開 昨年末、孫にせがまれ、娘宅で一緒にＤＶＤ視聴した作品です。 孫がせがんだ理由は、①字幕で観たいので読めない漢字を教えてほしい、②吹き替え版でも意味が解らないところがあったのでそれを教えてほしい。 孫は本作品を公開時に映画館で観ており、さらに…