さんが書いた連載孫達への本箱の日記一覧

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孫の作文から

福音館の童話に「ちょっとだけ」という本があります。 小学1年生だった孫が、これを読んで感想文を書いていました。心が育つというのは、こういうことかと思いました。 本の内容は、なっちゃんという女の子のうちに、赤ちゃんがやってきた時に、大事な母親が自分から離れて行き辛い思いをするけれど、母親の愛情を感じながら、それを支えに、ちょっとだけ自分のできる事を やって行くようになると言うはなしです。 …

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孫逹への本箱 その14はせがわくんきらいや  

「長谷川くんなんか大だいだいだい だあいきらい。」で終わるこの絵本の作者は長谷川集平さん。 何らかの理由で障害を持つことになった人は多い。そんな人に、きらいやといいながらも、一緒に山を上ったり野球をする。社会には色々な人がいる。本人でも家族の所為でもない事を、個人の責任ではなくて、社会全体で見て行こう、出会った人が見守ろうという、福祉の第一歩が描かれている。遠慮もなにもない、ワケわからんでも、…

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孫達への本箱 その13 思い出のマーニー

「心配しないで。あたし、必ずあなたに会うから----いつか、どこかで。正確な場所と時間は言えないけど。でも、あたしのこと、探し続けてね----お願い---」 主人公アンナは、身寄りの無い少女なので、人から愛されたことが無いと思っていた。しかし、マーニーと出会って、自分の出生の秘密を知り、そうでは無い事情を知ることになる。 過去に行くことによって、アンナは同じ年代の少女マーニーと出会うが、現在では…

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孫達への本箱 その12 詩の心を読む 茨木のり子

「いつも思うのですが、言葉が離陸の瞬間を持っていないものは、詩とは言えません。」 詩の奥義とも言えるような言葉 離陸 私はときどき、一眼レフと数本の交換レンズを持って、 出かけますが、写真を撮るときには、ピントが合っていることが大切、初めは自動でピントを合わせていましたが、ダメでした。自分が何を見ているのか。それを伝えるのがピントだから自動ではマズイのです。離陸の瞬間とは、最も美しいと感動し…

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ヒナギクの野のマーチンピピンの最初の詩

ヒナギクの野のマーチンピピンの最初の詩を訳してみました。 エリナー・ファージョンさんの望郷の詩        ★ ★ ★  この本を読んでいるあなたがもしも、 サセックス生まれの方だったら  私たちの朝に輝く、あのお日さまや、 夕べに立ち昇る月を知っているでしょうか。  アンバリーのいただきから、 黄色い光を放つお椀は、 逆さまになって、光をこぼしながら、 台地や丘の上から昇…

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孫達への本箱 その11 麦と王さま

「エジプトの王さまとムギと、どっちが金色だ?」 ファージョン作品集3は、麦と王さまのタイトルです。(全6巻) 小さいものが、きちんとした価値観を育てていたり、他の人達を救ったりする。何が大事なことなのかを、村の「ばか」が教えてくれます。何がバカなんでしょうね。 飢餓のフランスで子捨てから、一家を救ったのは、末っ子のちびだったという、ペローの「親指太郎」も同じような流れでしょうか。 これは、…

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孫達への本箱 その10 すばらしいとき

すばらしいとき 福音館 は Time of Wonder の翻訳絵本 ロバート・マックロスキーさんの文と絵になる 英語版のものと比べると、福音館の絵のほうが、 全体的に明るい印象を受けます。 絵の透明感に驚かされました。 人の感性の豊かさとは、こう言う絵本から受け取ることができる。風景から感じるものは、ひとそれぞれで、 子どもの絵本はとりわけ、自由度が高い。 その自由さ故に、概ね12才とか言…

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孫達への本箱 その9 サウンドオブミュージック

1965年、美しい歌がアメリカで生まれた。 エーデルワイスという小さな白い花が持つ永遠の命を讃え、祖国を見守るようにと願う歌。 第二次世界大戦が終わったときには、父は時の流れだったといっていた、誰もが本心では無い国策だったと言い、嬉々として民主主義をかたった教師は、教え子を戦場に送った事すら忘れたかのようだった。 易々と支配者の言葉にしたがい忖度し、良心を売り、命をさへ失うアブナイ国。三権分…

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孫達への本箱 その8 チョウはなぜ飛ぶか 

「研究というものが、決して本に書いてあるように、すっきりとした理論の上に成り立った素晴らしいものでは無くて、いかにばかくさい、くだらないものであるかを書きたかった。」日高敏隆 生まれたばかりのチョウが、なぜ、他のチョウと同じ道を飛ぶのか。この面白すぎる本は、孫に送るためのケースに入れるまでにもう一度読み直しました。人間のことが分からなくなったら、動物に聞けと、日高さんはおっしゃっています。 …

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幼稚園の卒園

Vにはならないで Wのピースしていた子が 運動会では、オリーブオイル(ポパイの友達)みたいに ぶっ飛んで走っていた。 ビリだった、私と大違い。 もうすぐ1年生 勉強はダイキライ わたしは勉強しないこと遊ぶ! と言ったかと思うと 漢字で名前が書けるよ とか ほんとに、なにを言っても可愛いやつだ。 わたしは、この年になっても、幼稚園の時を覚えている。 1年生になった時、今みたいな1人使いの机では…

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孫達への本箱 その7 とんことり

とん ことり  良い訪れの音だ。誰も知るはずのない、かなえに届けられたちいさな スミレの花束。 引っ越しした知らない町には、春の花が咲いている。寄る辺のなさ、初めての町には新しいこと、知らないことばかり。 小さな音、ちいさな スミレの花束が郵便受けに届く。 でも、扉を開けても、玄関のドアの向こうにも知らない人たち。 忙しい両親は、かなえの思いに向きあう余裕もない。 かなえには、自分に向か…

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孫達への本箱 その6 ナルニア国物語

わたしが子どもの時には、家の物置は思いもかけぬ所に繋がっていたのは確かだった。そこへと繋がっていた道は、大きくなるにしたがって、小さくなり、忘れられていました。 ふとしたことで、知らない場所に置かれてしまうこと。 そんなことは、大人になってからも、掃いて捨てるほどある。 大黒屋光太夫が難破して日本に帰るまで ジョン万次郎漂流記 これらの、行きて、帰りし物語はハッピーエンドでは無いかも知れないけ…

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孫達への本箱 その5 ペロー物語集

 シャルル・ペロー(1628-1703)さんが300年くらい前の、伝承物語を集めたものです。これらの物語が、どうして、原題にまで伝わったのか。それぞれのお話には、ルーツがあります。この話は、飢饉のあった年を始めにしているようです。  7人の子ども達を養えない飢饉があり、親は森に子ども達を置き去りにすることにしました。しかし、7人の末っ子は生まれたときは、親指ほどの大きさしか亡くて言葉も遅かった。…

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孫達への本箱 その4 秘密の花園

フランシス・イライザ・ホジソン・バーネット(1849~1924)マンチェスター生まれ 16才で一家でアメリカテネシー州へ移住 子どもの本は、読み方自由受け止め方自由と思っています。訳も訳者の人生観が投影されていてもいいと思います。直訳などでは、とうてい物語に成りません。直訳できなければ話しが始まりませんけれど。 この本は全てを訳するのはやっていません。ところどころ、ここって著者は何て書いている…

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孫達への本箱 その3 飛ぶ教室

成人式の日に、洛北の本屋さんで2冊の本を買った。 不満を人の性にしないこと。自分への約束だ。 そんなこといつも失敗している。けど、また、何度でも 約束をする。 そのための2冊の本のうちの1冊である。 「どうしておとなはそんなに自分のこどものころをすっかり忘れることができるのでしょう?そして、子どもは時にはずいぶん悲しく不幸になるものだと言うことが、どうして全然分からなくなってしまうのでしょう。…

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孫達への本箱 その2 星の王子さま

この本は特別である。 京都の紀伊國屋書店で買ってきた。始めてフランス語の本を買ったので覚えている。この本屋さんはどこか雰囲気が違っていた。 ラジオフランス語を4月から聞き始めた。翌年、学校でフランス語で星の王子さまをやった。本の途中で終わってしまったので、いつの日か最後まで読みたいと思って、辞書や文法の本などを取っておいた。 そのいつの日は、40数年後にやって来た。けれども、辞書の字は小さすぎ…

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孫達への本箱 その1 子どもの詩の庭

わたしの本箱には、童話がいっぱい。 これを整理するなど、思いつかないほどに どの本も愛着がある。 成人式の日に、式に行くこと無く、本屋に行った。 自分の新しい出発の日のために2冊の本を手に取った。 もしも、これから不満があったとしても、人の性にしないと誓い心くじけそうになった時には、童話を読もうと思った。 それから、本箱の中にはポツンポツンと心くじけた時の童話が増えていった。先日、ボックスを買…

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ゆっくりと 本を読むこと

 どなた様にも、読んでこられたた本の中で、とりわけ印象に残っている本が何冊かあることでしょう。  魅入られるように朝まで読んでしまって大変だった本。  思い出がいっぱいの本。  人生の道しるべになった本。  断捨離などというものをやって、捨ててしまった本を、また買ってきて読み直しています。とても愛おしくて、ゆっくり ゆっくりと味わいながら 行きつ戻りつ読んでいると、以前印象に残った場所以外に…

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ムギと王さま

童話が好きです。 今まで読んできた本の中でも、飛びっきりの1冊が、この「ムギと王さま」です。作者は、ロンドン生まれの、エリナー・ファージョンさん。 昨日のこと、ふとこの本を手にとって気が付いたこと。 本の名前は ムギと王さま となっているのに裏表紙には THE LITTLE BOOKLOOM となっているのでした。 タイトルの「ムギと王さま」というのは、この中の最初の作品の名前で、「THE K…